バストの下垂は気が付かないうちにやってきます。
中でも加齢によって胸が垂れるのは誰もが経験すること。実際30代以降のバストの悩みでは「胸が小さい」 と並び、「バストの下垂」は上位にランクインされています。
「最近胸が垂れてきたかも?」 と感じたら、一刻も早くバストケアを始める事が重要!特に下着の見直しは効果的なので、正しいブラ選びを心がけましょう。
インナーウエアー及びルームウエアー専門メーカーに15年以上勤務。デザイナーとしてバストアップブラ、楽ブラなどの商品企画に携わる。その後アウターの商品企画を兼務のうえ独立。フリーとして活動中。
目次
胸が垂れる原因
胸が垂れる原因は、加齢・激しい運動・妊娠など様々です。まずは胸が垂れてしまうプロセスや理由を頭に入れ、今以上にバストが下垂するのを防いだり、適切な下着選びに役立てていきましょう。
加齢や激しい運動、妊娠などで胸が垂れてしまう理由は、
- バストを支えるクーパー靱帯が伸びる、損傷する
- 大胸筋の衰えと、皮膚のハリ・弾力が失われる
- ホルモンバランスの変化によってバストが柔らかくなる
などがあげられます。
下垂が進んでしまったバストを元に戻すのは非常に大変なので、早めにケアすることがとても大切です。
バストの下垂の第1段階は、デコルテ部分が痩せてくること。垂れ胸のサインとして頭に入れておくと良いでしょう。
では、どうしたら胸が垂れるのを防止・改善できるのか?1番効果的な方法は普段身につけているブラジャーを1度見直してみることです。
次の章ではバストの下垂防止に効果的な正しいブラ選びについて詳しく解説していきます。
垂れたバストの採寸方法
正しい下着を選ぶために最も大切なのは、ご自身のバストサイズを正しく把握することです。
特に30代から40代にかけて、女性の体は様々に変化していきます。
ブラジャーにおいて、大きすぎるサイズは胸が動く原因になり、小さすぎるサイズは胸を圧迫しすぎて組織を傷めてしまうことも。このように、ブラのサイズが合わないことは胸の下垂につながってしまうんです。
セルフ採寸(ご自身で採寸する場合)
バストサイズを自分で測る場合、一般的には下図1のように、直立した姿勢でトップバストを採寸します。
お手持ちのブラで1番サイズの合っているブラをカップを抜いて身に着け、肘の中間の位置にバストトップが来るよう肩ひもを調整します。
胸が垂れてきてサイズの合うブラがないという方は、図2のようにお辞儀をした姿勢でトップバストを測るのもおすすめです。(参考:ブラデリスニューヨーク公式ストア)
図1.ボディーサイズの採寸方法
- トップバスト
肩と肘の中間に乳首が来る位置で採寸しましょう。 - アンダーバスト
お胸のふくらみのすぐ下の部分を、水平に測りましょう。 - ウエスト
胴まわりの一番細い部分(おへそより少し上)をリラックスした状態で測りましょう。 - ヒップ
おしりのふくらみの一番高い部分を水平に測りましょう。
図2.トップバストの採寸方法
ブラをつけずに全身鏡の前でメジャーが床と平行、そしてお胸のトップのラインに来るように準備します。
90度に体を傾け、お胸のトップをしっかり立たせます。メジャーがトップと背中にかけて垂直になっているのを確認して下さい。
※バストトップはメジャーで軽く押さえて計測します。
※メジャーの位置がずれると、サイズが変化しますので注意してください。
アンダーサイズは図1通り、トップバストは図2のように採寸
トップサイズ – アンダーサイズ = カップサイズになります。
プロによる採寸
自分で採寸するのも良いのですが、この機会に売り場に足を運び、フィッティングだけでも試してみたらいかがでしょうか?プロによる採寸は、ご自身のバストサイズを正しく把握する、最もおすすめの方法です。
下着のフィッティングは苦手という人も多く、試着したら絶対買わされそう・・・と感じている人もいらっしゃると思います。しかし、決してそんなことはありません。
比較的人の少ないすいている時間帯に足を運び、「最近体型が変わったような気がしてブラ選びに迷っている」 「今日はいくつか試すために来た」 という事をきちんと伝えておけば、安心して相談にのってもらえるはずです。
下着売り場にいるフィッターの人はたくさんの女性のバストを見てきたプロです。特に勤続30年以上にも見えるおばちゃんフィッターさん達は物凄く頼りになる存在、そして実際に世話好きの方も多いです(笑)
今後の体型維持に大きな味方になってくれると思うので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
胸の垂れを改善・防止する正しい下着選び
サイズをしっかり測れたところで、胸の垂れを改善・防止する正しい下着選びについて4つのポイントをご紹介します。
①昼ブラは最低限自分に合ったサイズのブラを使用する
自分では意外に気付いていないのが体型の変化です。胸の下垂を防止するためには、しっかり自分のバストサイズを再確認してブラジャーを選ぶのが基本です。
その上で、バストの垂れ具合に応じた昼ブラを選ぶのがおすすめ!
”ブラの上辺がカパカパする” ”デコルテが貧層”など、バストのタイプ別の昼ブラを改めて詳しくご紹介していくのでお楽しみに。
②睡眠時はナイトブラを使う
バストの下垂に最も効果的なのが、ナイトブラの活用です。
睡眠中は無意識にバストが動いているもの。日中はブラがズレても直すことができますが、睡眠中はバストが脇に流れても、つぶされても、その状態が長時間続いてしまいます。
ナイトブラはあらゆる睡眠中の姿勢に対し、バストの丸みをキープして、バストの形を崩さないよう保護する目的を第1に作られています。バストの型崩れを防ぐことで、結果的に美しいバストラインを保つ育乳効果も発揮してくれるというわけです。
さらに、ナイトブラには胸の下垂抑制に効果的な、姿勢を整える効果のある商品も取り揃えられています。胸の垂れが気になる方は、スマホのやり過ぎなどで前傾し猫背になった背筋を意識し、美姿勢をサポートしてくれるナイトブラを選ぶのがおすすめです。
こちらの記事で、最も垂れ胸の方に適したナイトブラをご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
→ 胸が垂れるのを防ぎたい!垂れ胸さん向け ナイトブラの選び方&おすすめ5選【下着のプロ監修】
③運動をするときはスポーツブラを
最近ジムやヨガに通っている人がとても増えています。運動するときにはぜひスポーツブラを身に着けるようにしてみてください。
スポーツブラは一般的なブラや楽ブラと違い、バスト全体をカバーし揺れや無理な態勢で靱帯が伸びるのを防いでくれる役割を持っています。
ナイトブラは基本的に下方向のホールド力が弱めですが、中には併用できる商品もあるのでぜひ試してみてください。
→ スポーツブラの代用におすすめのナイトブラはこれ1択!てんちむ・モテフィット【下着のプロ監修】
④毎日楽ブラばかりで過ごさない
最後にみんな大好き楽ブラについてのご注意を(笑)
楽ブラが大好きな管理人としては言いにくいのですが、胸の垂れが気になる方は楽ブラばかり身に着けるのはNGです(汗)
楽ブラは名前の通り楽々な着心地で人気ですが、リラックスが目的で作られているのでアンダーのホールド力も弱く、胸の形を整える役割はほとんどありません。
しかし、胸の垂れに悩んでいるお客様の楽ブラ率が意外に高いのも事実。
それはなぜか?
バストの下垂が進んでくると、昼ブラのサイズが合いにくくなるのが理由です。
お客様で特に多いのが
- 産後のバスト痩せで垂れてしまった方
- 加齢で体のラインが全体的に崩れてしまった方
- 胸が小さいから垂れることはない!と考えていた方
などなど。
楽なのもありますが、悩みが多い分自分に合うサイズの昼ブラを見つけるのが困難で、「もう楽ブラが1番!!」となるわけです。
リラックスすることは精神衛生上良いので、楽ブラもリラックスタイムにはおすすめです。しかしバストの垂れが気になる方は、TPOによってブラの種類を使い分けることを強くおすすめします。